DNAって何?
遺伝子の実態がDNAであることが1944年、アメリカの医学研究者オズワルト・アベリーによって発見されましたが、DNAの構造についても、10年ほど後に明らかになりました。1953年にアメリカの分子生物学者ジェームズ・ワトソン、イギリスの科学者フランシス・クリックらがDNA分子をX線回析という手段で調べた結果などに基づいて、DNA分子が2重らせん構造をとっていることを発表しました。 (X線回析とは、物質の結晶にX線を照射して、回析現象によって生ずる像を分析することで結晶構造を明らかにする研究方法) DNAを構成するのは、ヌクレオチドという単位です。ヌクレオチドは塩基、糖、リン酸からなる分子です。塩基には、アデニン(A)・グアニン(G)・シトシン(C)・チミン(T)の4種類があります。 塩基は水素、炭素、窒素からなる分子でシトシンとチミンは六角形の構造をしています。アデニンとグアニンは五角形と六角形がつながった構造になっています。この4種類の塩基が実際に遺伝情報を担います。 DNAの分子は、ヌクレオチドが次から次へと積み重なることによって構成されていきます。これは2重らせん構造のうちの片方で、1本のDNAで鎖状に伸びていることから、1本鎖DNAと呼ばれます。 中央で塩基同士が対をなしているこの組み合わせを塩基といいます。塩基対は、アデニンとチミン、グアニンとシトシンの2通りしかありません。(アデニン(A)・グアニン(G)・シトシン(C)・チミン(T)と略す。)つまり、ATとGCの2通りです。 DNAの構造で重要なのは、塩基対の組み合わせが2通りしか無く、一方の塩基と対を成す他方の塩基は1つのみが対応するということです。(すべての塩基対における大原則) そして、DNAの塩基の並び方を塩基配列といいますが、2重らせんをなす一方の塩基配列に対してもう一方の塩基配列が1通りに決まってきます。
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